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Nikkei Brasileiros! vol.5

サブリナ・サトウ(グラビア・アイドル)

 日伯交流100周年企画
後援=在日ブラジル大使館
協力=AMERICAN AIRLINE

Photoraphs & Text by Mizuaki Wakahara(D-CORD)
Directed by Ryusuke Shimodate
Edit by Tomoko Komori

Camera Assistant by Yayoi Yamashita
Coordinated by Tamiko Hosokawa (BUMBA) / Erico Marmiroli


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2008 年、地球の裏側ブラジルへの移民がはじまって100年の月日が流れた。今では150万人を超える日系人が暮らしている。 南半球最大都市サンパウロへ「japon」に会いに旅にでた、日系ブラジル人ポートレイト集。

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2008年10月7日

 『サブリナ・サトウ』。
 僕にとってはなんとも魅力的な名前の響きだ。リオのビーチを濡れた長い髪をなびかせながら歩くTバックの後ろ姿のイメージが〈サブリナ〉なら、『サトウの切り餅』のように、日本人が最も親しみやすく安心感のある〈サトウ〉。
 この絶妙なコラボレーションの異名を持つグラビア・アイドルにずっと会いたかった。思えばこの企画のキャスティングをしている当初、彼女の存在を知ってから何度も訪れたブログで、あのロナウジーニョとのツーショットや、おバカな格好をしながらセクシーポーズをキメる底抜けに明るい彼女の笑顔に、秘かに恋していた。


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 6日のマツオカさんの撮影後、勇んでかけつけたサンパウロのスタジオで約束の時間にサブリナと会う。が、なんだか今日はあんまり気分じゃないらしく、取材は翌日に延ばされた。
 コーディネーターのタミコさんが僕に気を使って、今日撮影できない理由をいろいろと説明してくださったけれど、サブリナのむき出しの太ももに釘付けの僕は「明日もう一度会えるなら、なおうれしい」と、見当違いな言葉を残した。


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 7日。エガシラさんの撮影を終え、いざサブリナのもとへ。昨日と同じスタジオに向かう。日本で言えば『笑っていいとも!』のような、月曜日から金曜日まである国民的番組のラジオ版(サブリナはテレビ版もレギュラー)の収録現場に潜入させてもらった。
 僕らスタッフは収録スタジオ内にスタンバイし、ぞくぞくと現れる出演者に挨拶をしてまわった。みな気さくな感じで快く受け入れてくれて安心した。ほどなくサブリナもスタジオ入りし、あらためて挨拶(タミコさんはハグしていてうらやましい)。名刺代わりに胸の谷間を一枚撮った。サブリナはいい匂いがした。


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 収録が始まる。内容は、発売直後の人気グラビア雑誌の表紙の女の子のお尻についての話題だった。司会者を含む8人でひたすらお尻をコメントする内容で、ポルトガル語が理解できなくとも相当に面白い。みなシュールなほど真剣で熱く語る。サブリナも持論を展開。横顔がセクシー......。


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 ブラジルの国民的グラビアアイドル、サブリナ・サトウは日系3世。母方の祖父母が日本人である。今回の旅でサンパウロに到着した日、滞在先のアライレジデンスに荷物を置いてから周辺を散歩したときに、「サブリナいるかな?」と近所のキオスクをチェックすると、彼女が表紙を飾る雑誌が2つもならんでいた。「おー! いるいる!」と盛り上がる。幼少時代は祖父母と同居していたため、お風呂の習慣もあり、白飯に味噌汁で育ったそうだ。
手帳から「オジイチャン」といいながら写真を見せてくれた。


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 サブリナは日系というアイデンティティを冠にしているので、日本がらみの番組にはしょっちゅう呼ばれている。日本のアニメやフィギアのイベントにも多数出演し、いわば日の丸のハチマキを額に巻きながら仕事をしているような感じであろう(実際彼女のトレードマークは額の真ん中に日の丸のように存在するホクロであり、それを見て僕が勝手に下した結論に過ぎないが)。


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 趣味はカラオケだと言い、リベルダージ(サンパウロ最大の日本人街)にも頻繁に足を運んでいるそうだ。「来週友達たちとカラオケに行くから、よかったら一緒にどう?」と誘ってくれた。タミコさんが通訳しながら「たぶんリップサービスだと思うけど」。って言っていたが、そんなこと知ったこっちゃない。「行く! 行く! 行く!」と乗っかった。


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 ほどなくして、サブリナが次の仕事に向かう時間がきた。数ヶ月前、下北沢の自宅でブログを見ながら想いを馳せたキミとももうお別れだ。しかし、もうひとつ大事なミッションがあった。ハグをしなくてはならない。もうだいぶ仲良くなったのだからいいだろう?

 やっぱりいい匂いがした。


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 さよならサブリナ。さよなら愉快な仲間たち。さよならスタジオスタッフ。

 MUITO OBRIGADO!


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 じつは続きがある。翌週末、完全に忘れていた頃に、本当に連絡があった。リベルダージのお店と時間を告げられた。ところが予定ではその日、僕らはもうサンパウロにはいない。僕はリオでフットサルのワールドカップの決勝をあのマラカナンジーニョ(ブラジル・サッカーの聖地)で撮影することになっていた。フットサル界のマイケル・ジャクソン、あの〈ファルカン〉を撮るのだ。

〈サブリナとカラオケ〉か〈マラカナンでファルカン〉か。

 さあ、あなたならどうする?



■過去連載記事:
vol.1 ジュン・マツイ(タトゥーアーティスト/俳優)

vol.2 チアキ・イシイ(柔道家)

vol.3 シズオ・マツオカ(バイオエタノール研究者)

vol.4 トシヒコ・エガシラ(ざっくりと実業家






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